「『ソフトウェアテスト技法練習帳』の著者2名が語る これからのテスト・QAエンジニアのキャリア」ウェビナーレポート


今回は、2025年11月10日(月)にオンラインで開催されたウェビナー「『ソフトウェアテスト技法練習帳』の著者2名が語る これからのテスト・QAエンジニアのキャリア」の模様をお届けします。

生成AIの普及や自動化技術の進展により、テスト・QAエンジニアのキャリアは今、転換期を迎えています。
そんな中、業界の第一線で活躍する2名の著者に、これからのキャリア形成やスキルアップのヒントを語っていただきました。
進行は私、Ikariが担当しました。


目次

イベントについて

本イベントは、株式会社キクサーの武田 春恵さん(代表取締役)、そしてMagicPodの伊藤 由貴(エバンジェリスト)がパネリストとして登壇。
モデレーターは弊社CEOの伊藤 望が務める、“ダブル伊藤体制”で進行しました。
X(旧Twitter)やチャット欄では多くの方に感想をシェアしていただき、リアルタイムでも大変な盛り上がりでした。

セッション内容ダイジェスト

今回のパネルでは、以下のようなテーマについて深く掘り下げました。

  • お二人のキャリアの歩みと共著書誕生秘話
  • コミュニティ活動がもたらす効果
  • そしてAI時代に求められるQAエンジニア像

1. キャリアの軌跡と『ソフトウェアテスト技法練習帳』誕生秘話

まずはそれぞれのキャリアと、共著書が生まれるまでのストーリーから。

武田さんは、岩手県盛岡市でソフトウェアテスト支援の株式会社キクサーを立ち上げた経営者。
創業当初は一人からスタートし、現在は13名のチームを率いる存在です。
起業のきっかけは、前職での組織変化を経て感じた「エンジニアのためになることにフルコミットしたい」という強い想いだったそうです。

一方の伊藤由貴は、10年以上にわたりテスト業界で経験を積み、現在はMagicPodのエバンジェリストとして活躍中。
「キャリアは綿密に計画して築くものというより、その時々で『面白そう』と思う方向に進んできた」と語りました。

ふたりが出会ったのは、テスト業界の祭典 JaSST Tohoku。
『ソフトウェアテスト技法練習帳』は、当初「同人誌」として制作されたワーク教材がきっかけで生まれたもので、商業出版されるとは思っていなかったと振り返ります。

2. コミュニティ活動がもたらす気づきと広がり

続いて話題は、お二人が積極的に行ってきたコミュニティ活動へ。

武田さんは、盛岡での勉強会を手伝ったことが活動の始まり。
社外にロールモデルを求めたことがきっかけだったといいます。
「学びたいことを考える時間が、結果的にお客様の価値を理解する力につながった」と語り、業務の質を高める思考トレーニングとしてのコミュニティ活動の意義を語りました。

伊藤由貴は、翻訳グループやブログ執筆など、個人で地道に活動を続けてきました。
「最初は孤独感から始めたけれど、次第に“楽しい”や“自分のためになる”に変わった」と笑顔で回顧。
活動を通じて出版やスカウトの機会が生まれるなど、キャリアの幅が広がったといいます。

3. AI時代に求められるスキルセット

生成AIの登場でQAのあり方が変化する今。
お二人は“変わらないもの”と“新しく求められるもの”について語りました。

武田さんは、「人と人、そして人とAIをつなぐ力」の重要性を指摘。
チームの心理的安全性を保ち、メンバーが力を発揮できる場を作ることが、AI時代にも欠かせないと強調しました。

伊藤氏(由貴)は、「キャラクター付け=セルフブランディング」を提案。
特定の分野で認知されることで情報が集まり、より専門性を高める好循環が生まれるといいます。

また二人は共通して、「AIがあってもテストの基礎知識は絶対に必要」と断言します。
AIを活かすには、自分自身が理解していなければ適切な指示も出せないからです。
「普段の業務を“人に説明できるレベル”で言語化すること」が、AIとの共創時代のカギだと語りました。

4. Q&Aハイライト

最後のQ&Aでは、キャリアやスキルアップに関するリアルな質問が多数寄せられました。

ストエンジニアからQAエンジニアへの壁
「知っているけど、やったことがない」という状態をどう乗り越えるか?
武田さんは「挑戦を支える組織文化と他ロールとの信頼関係が鍵」と回答。

給与交渉と成果の伝え方
武田さん:「自らの市場価値を認識し、冷静に言語化すること」
伊藤由貴:「QAが生むビジネス成果を数字で示すこと」が効果的だとアドバイス。

言語化スキルの磨き方
伊藤由貴:「人に教えることで鍛えられる」
武田さん:「AIを味方に“産みの苦しみ”を減らそう」と提案しました。

まとめ

本イベントを通して見えてきたのは、AI時代においても変わらない本質
それは 「基礎力」と「つなぐ力」 です。

技術が進化しても、テストの基本を理解し、人とAIの間に立って橋渡しできるエンジニアこそが、これからの時代をリードしていく。
そう確信させてくれる時間でした。

「AIとキャリアは切っても切り離せない関係になった。でも悲観ではなく、共に学び続けていけばいい」ー武田さん
「AI時代に悩むのは、チャンスが平等に広がっている証拠」—伊藤由貴

登壇者のお二人、そしてご参加いただいた皆さま、ありがとうございました!

【イベント後のご案内】

2025年10月にMagicPodへ入社した伊藤 由貴は、エバンジェリストとしてQAに関する様々なテーマで活動しています。
イベント後には、キャリアや仕事の悩みを気軽に相談できる「伊藤由貴との30分ミーティング」枠もオープンしました。

伊藤由貴との30分ミーティングお申し込みはこちらから

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Tomoyuki Ikari

Tomoyuki Ikari

慶應義塾大学経済学部卒業後、ハウスメーカーや外資系大手IT企業で営業経験を積む。社内英語通訳やフリーランスの英語講師としても活動。2022年MagicPod入社。
幼稚園から私立育ちで一見とても品よく真面目そうに見えるが、実はM-1グランプリ出場経験や、もみあげだけに毛を生やした状態で高三の夏から卒業式まで過ごしていたというクレイジーな一面を持つ。MagicPod唯一のエンターテイナータイプ。
プライベートではポーカー(テキサスホールデム)をやっていて、大会での優勝経験も持つ。暑さ、寒さ、雨に弱い。

X:https://x.com/IkariMagicPod