プロダクトの成長を支える「テスト自動化ツール」はメンテナンス性が決め手。たくさんテストを回すことでQAの価値が実感できる。

株式会社グロービス

ブラウザテスト

ユーザーインタビュー第7回は、MagicPod代表伊藤とともに株式会社グロービス様にお話を伺いました。
具体的な活用事例や選定の決め手など、いろいろとお話しいただきました。

株式会社グロービス 会社概要

グロービスは1992年の設立来、「経営に関するヒト・カネ・チエの生態系を創り、社会の創造と変革を行う」ことをビジョンに掲げ、各種事業展開を進めてきました。「ヒト」の面では、学校法人としての「グロービス経営大学院」ならびに、株式会社立のスクール「グロービス・エグゼクティブ・スクール」「グロービス・マネジメント・スクール」、企業内研修事業を行うグロービス・コーポレート・エデュケーションとeラーニングやオンラインクラスのほか定額制動画学習サービス「GLOBIS 学び放題」などを提供するグロービス・デジタル・プラットフォーム、「カネ」の面では、ベンチャー企業への投資・育成を行うベンチャー・キャピタル「グロービス・キャピタル・パートナーズ」、「チエ」の面では、出版事業ならびに情報発信サイト/アプリ「GLOBIS 知見録」により、これを推進しています。さらに社会に対する創造と変革を促進するため、一般社団法人G1によるカンファレンス運営、一般財団法人KIBOW による震災復興支援および社会的インパクト投資を展開しています。


POINT

  • メンテナンス性の高さがMagicPod導入の決め手に
  • テストを回すことでQAの価値を実感できる
  • 逆三角のテストピラミッドはイケてない
  • わからないことも解決するコミュニティの力

株式会社グロービス GLOBIS Digital Platform 矢島 航海さん(QA Engineer)

株式会社グロービス GLOBIS Digital Platform
矢島 航海さん(QA Engineer)

MagicPod導入前の課題

矢島さん(以下、矢島):まさか伊藤さんに会えると思っていませんでした! 僕がQAエンジニアになって「テスト自動化」を知ったきっかけは、伊藤さんが書かれたSelenium関連の本だったんです。

伊藤:ありがとうございます。事例紹介の取材はユーザーさんの生の声が聞ける貴重な機会ですので、参加させていただいてます。グロービスさんは経営大学院が有名ですけど、GLOBIS Digital Plattform部門では、他にもいろいろなプロダクトを開発されているんですね。

矢島:そうなんです。GLOBIS Digital Platfomでは現在、ビジネスナレッジの定額制動画学習サービス「GLOBIS 学び放題」と英語版の「GLOBIS Unlimited」、学習管理システム「GLOPLA LMS」という3つのプロダクトを提供しています。このうちMagicPodを利用しているのは「GLOPLA LMS」です。

GLOPLA LMSは2021年5月にリリースした、BtoB向けのプロダクトですので大手企業で導入いただくと一気に数千人という規模でご利用いただきます。何かトラブルがあるとその会社全体に影響が出てしまいますので、品質管理はとても重要です。QAチームはデジタルプラットフォーム部門という開発組織の中にあって、業務委託を含めて15人ほどのメンバーがいます。

伊藤:各プロダクトは自社開発されているんですか?

矢島:以前は外注していたのですが、2017年頃から自社開発するようになって現在GLOBIS Digital Platfomで扱っているプロダクトは内製です。GLOPLA LMSの開発は3年ほど前に始まり、今後1週間スプリントにするためにQAもスピードを求められたという課題もあって自動化ツールを導入しました。

伊藤:他のお客さまは2週間スプリントが多い印象ですが、毎週リリースは頻度が高いですね。

矢島:速いスプリントでしっかり回せて、メンテナンスもしっかりできるツールということでMagicPodを選びました。

伊藤:ありがとうございます。他のツールとの比較はされたのでしょうか?

矢島:実は過去に何回か自動テストを入れていこうと試みたことがあります。Seleniumを検討したこともありますが、「安定的にメンテナンスしていけるエンジニアリングスキルを持つメンバーは限られる」ということを考慮してクラウドサービスを検討しました。その中でいくつかテスト自動化ツールを試しましたが、やはりMagicPodは「メンテナンスが簡単にできる」というメリットが大きかったです。

例えば、共通ステップ化しておけば一つ直すだけで後のテストが全部通るのでXPathの更新が簡単です。自動修復機能もいいですね。その機能がなければ、どこが落ちているかツリーを調べてXPathが変わっているのを見つけ、動くか再現確認するところまでけっこうな時間がかかります。エンジニアリングスキルがない人でもコードを書かずにそういったメンテナンスができるというのがすごく良いと思っています。


MagicPodの活用事例

矢島:MagicPodはメンテナンスのしやすさに加え、安定性でも信頼があります。何かしら問題があって問い合わせをしたとき、「担当者に確認します」となってしまうと仕事が止まってしまいますが、MagicPodだと爆速で返信を頂けるのがすごいと思います。アップデートも頻繁にあって、重要度の高い機能は想定より早く反映されることが多いです。

伊藤:ありがたいお言葉です。テストツールはどうしても一定のバグが出てしまうため、品質を気にしている社内メンバーも多いです。

矢島:GLOPLA LMSは規模がどんどん拡大していくプロダクトで、7月から1〜2人ほど自動化エンジニアが増える予定です。ただでさえ負担の大きいE2Eテストですから、メンテナンス性が高いことは重要です。

伊藤:なるほど、引き続きサポートさせてください。GLOPLA LMSではMagicPodをどのようなタイミング、頻度で利用されていますか?

矢島:GLOPLA LMSは1週間スプリントなので月曜から金曜まで開発して、次の月曜にデプロイされて水曜日にリリースします。そのためテストはステージングにデプロイされた月、火で回しています。それと毎日、夜11時に安定性を確認するため回しています。人の手で見つけるのは限界がありますが、それ以上に数をこなせるのが機械の強みだと思っています。何かしら問題が見つかるようになってきていますので、「やっぱり効果があるんだ」と実感できる機会も増えています。

伊藤:毎日回していても、「昨日作ったものがエラーになる」ということがあるのでしょうか?

矢島:それが稀にあるんです。「リリース予定のものを先にマージ・デプロイしてしまった」とかですね。エンジニアがタスクに入れていないけど、善意で「こうしといたほうがいいだろう」というような仕様の変更に気づいて、リリース前に顧客サポートと連携が取れることもあります。そこは毎日テストを回して前回の動きを知っているからこそわかることです。

伊藤:テスト結果はどのように共有していますか?

矢島:僕が結果を確認して、「何もありませんでした」「失敗はしていますが、これはスルーで大丈夫です」といったレポートを開発チームに伝えています。自動テストが手動で行うテストよりも先にトラブルを見つけることがあり、報告起票までの時間を短くすることで、リリース直前にバグが見つかるような機会を減らせています。

自動化でたくさんテストを回すことで、現場のエンジニアにもQAの価値を実感してもらいたいと思っています。まずは機能テストできちんと新しい機能をテストする。そして回帰テストを回すということを徹底してやり、仲間として一緒にプロダクトを育てていきたいですね。


MagicPodを導入して良かったこと

伊藤:いま主に自動化されているのは正常系ですか?

矢島:そうです。基本的には週に一度あるリリースの前に、「ユーザーはおそらくこういう動きをするだろう」というシナリオを作ってマルチブラウザテストを1ケースずつ行っています。本当は異常系もやりたいのですが、あまり増やすとメンテナンス工数が増えてしまうのでまだカバーできていないです。

伊藤:異常系は難しいところだと思いますね。僕も「できるならユニットテストもしたほうがいいですよ」と話すのですが、画面だと簡単ではないですね。

矢島:GLOPLA LMSはビジュアルリグレッションテストに「reg-suit」を入れていて、全部の画面に差異がないか毎回見てくれています。

伊藤:それはいいですね。テストピラミッドで言うところの、単体とインテグレーションレベルのレイヤーが厚くなってE2Eも効果的になると。

矢島:そこのマネジメントがきちんとできれば、上のE2Eテストは薄くてもいいんじゃないかと思っています。そもそもE2Eは最終確認じゃないですか。よく逆三角形になっているパターンをお見受けするのですが、そこで大量にテストをぶん回すのはあまりイケてると思えないです。

伊藤:それはとても良い言葉ですね。MagicPodの特性上、そういったことは起こりがちなので、いかに理想のピラミッドに移行してもらうかは常に課題です。他にMagicPodを選んで良かったことはありますか?

矢島:コミュニティが良いですね。すごく楽しく参加させていただいています。コミュニティマネージャーさん、本当に頑張ってくれてると思いますよ。わからないことがあってもコミュニティで聞けばだいたい解決できますので、検索コストが低いと感じます。知り合いから「これどうやるの?」「こういう時どうするの」とDMをもらったり、逆に僕から「これどうやったらいいかな?」と聞いたりすることもあります。

伊藤:いつの間に!知らないところでコミュニティが活用されていることもあったんですね。嬉しいですし、すごく興味深いです。

矢島:MagicPodはもともとSeleniumベースなので、Selenium界隈で有名だった方をよく見かけますね。

伊藤:そうですね。僕も「あれ、見たことある人だ」と思うことが多いです。

矢島:前職のメルカリ時代の同僚が転職先の企業でMagicPodを使っているという事例を見ました。それぞれの現場でテスト自動化を頑張っていること、そしてそういった人たちがこのコミュニティに集まっているのだと感じています。

伊藤:ありがたいです。もっと盛り上げてより良くしていければいいなと思います。


最後に

矢島:最近はノーコードの自動テストツールが乱立していますから、「良いツール」は他にもあると思います。その中でもテストを使い捨てにせず、育てて拡張していける仕組みを作れる素養がMagicPodにはあります。

自動テストが初めての方も、コミュニティで質問すればMagicPod社メンバー以外でも回答してくれるので安心です。すでに実力をお持ちのSelenium、Appium経験者の方も、自前のエンジニアリング力を生かした利用方法が山ほどあると思います。ぜひ利用してみてほしいです。

お知らせ

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サービス紹介
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