MagicPodを通じてQAと開発の連携を強化し、サービス全体の品質向上につなげていきたい。

ディップ株式会社

モバイルアプリテスト

ユーザーインタビュー第17回は、MagicPod代表伊藤とともにディップ株式会社様にお話を伺いました。
具体的な活用事例や選定の決め手など、いろいろとお話しいただきました。


ディップ株式会社

労働市場における諸課題を解決し、誰もが働く喜びと幸せを感じられる社会の実現を目指す“Labor force solution company”をビジョンに掲げ、「バイトル」をはじめとする人材サービス事業と「コボット」シリーズを提供するDX事業を運営しています。


POINT

  • 開発メンバーがテストで開発に専念できない状況が課題だった
  • 非エンジニアでも使いところがMagicPod導入の決め手に
  • QAと開発のコミュニケーションが生まれ品質向上につながる
  • MagicPodがある安心感で攻めた開発ができるようになった

右から ・山本直希さん グロースエンジニアリング部 部長 兼 品質管理部 部長 ・坂本 ちひろさん 品質管理部 QAエンジニア ・白数 叡司さん バイトルエンジニアリング部 iOSエンジニア

右から
・山本直希さん グロースエンジニアリング部 部長 兼 品質管理部 部長
・坂本 ちひろさん 品質管理部 QAエンジニア
・白数 叡司さん バイトルエンジニアリング部 iOSエンジニア

MagicPodを導入した経緯

坂本さん(以下、坂本)︰ディップには2023年4月に入社しました。現在、品質管理部のQAエンジニアリング課で、主に自社サービスの不具合調査やテストプロセスの改善提案などを行っています。前職でもQAエンジニアとしてMagicPodを利用していました。

白数さん(以下、白数)︰iOSエンジニアとして「バイトル」アプリの機能開発やリアーキテクチャ(システムの再設計)を担当しています。ディップには2021年10月から内定者インターンとしてバイトルチームに加わり、2022年に新卒として入社しています。現在は開発と並行して、チーム内で使用しているCI/CDツールやデベロッパーアカウントなど開発環境の改善、整備活動も行っています。

山本さん(以下、山本)︰入社は2022年1月で、開発を担当するグロースエンジニアリング部と、QAエンジニアが所属する品質管理部の部長を兼務しています。実はテスト自動化とは個人的に古い付き合いで、2000年代にWindowsアプリケーションのテスト自動化プログラムの開発に関わっていたこともありました。

品質管理部は2023年4月にできたばかりの組織です。現在は坂本を含めた社員3人と、エンジニア部門の組織長など数名が立ち上げメンバーのような形で兼務しています。兼務を含めると10人を超えるくらいの組織になっています。

伊藤(MagicPod代表)︰MagicPodは2021年9月からご利用いただいていますが、導入前はどのような課題があったのでしょうか?

坂本:入社前の話になってしまいますが、当時は開発チームが単体テスト、結合テスト、総合テストを行っていたため、テストに工数を取られて開発に専念できない状況が課題となっていました。

白数:そうですね。私がインターンで入った2021年頃は総合テストを数日かけて手動打鍵していたため、開発スピードが遅れていました。やはり開発側には「コードをゴリゴリ書きたい」という思いがありますので、モチベーションも低下していたと思います。

山本:以前からテスト関連の作業については開発チームごとに外部のQAエンジニアをアサインしてQA活動はしていたのですが、品質管理面で統括する組織がありませんでした。

白数:仕様に対する理解の深さはチームメンバーによって異なります。テスト項目を一つ取っても、理解の深さで生じる認識のずれが問題になっていました。


MagicPod導入の決め手


伊藤︰どのような経緯でMagicPodの導入を決めていただいたのでしょうか?

坂本:最初は国内外のいろいろなツールを検討したと聞いています。その中から、サポートの受けやすさで国内に絞り、iOS/Androidの両方に対応しているものに絞り、消去法で最後に残ったのがMagicPodを含めた2つのツールだったそうです。実はWeb側ではすでに自動化ツールを導入していたのですが、そのツールは当時、iOSとAndroidの両方に対応していませんでした。そこで、モバイル側は別のツールを検討することになりました。

伊藤:トライアルしていただいてからしばらくご連絡いただけなかったので、「これはダメだったのか……」と思って落ち込んだのを覚えています。

白数:私も検討していた方がすごく悩まれていたのを覚えています(笑)。

坂本︰最終的には「アサーションの種類が豊富なこと」「ノーコードで非エンジニアでもシナリオ作成しやすいこと」が導入の決め手になったそうです。私も前職で使っていて「最初にMagicPodを使ってしまうと他のツールは使えないだろうな」と思うくらい機能が豊富でした。

それと、私はQAエンジニアになる前に仕事でPCを使わないくらい分野の違う仕事をしていました。そこから転職してMagicPodを利用することになり不安だったのですが、直感的に操作できるので非常に助けられました。ディップでも、非エンジニアでも使いやすく、学習コストが少ないことも導入の決め手になったそうです。

伊藤:未経験の方から「使いやすかった」と言っていただけるのは説得力があってありがたいです。モバイルに関しても、私たちはモバイルから始めていますので、機能面にはかなり力を入れています。


MagicPodの利用状況

伊藤:現状どのようにMagicPodをご利用いただいていますか?

坂本:プロダクトによって違いはありますが、アプリのQAを行っているチームは基本的にMagicPodを使用していまして、主に

  • 総合試験フェーズでデグレ確認をする際のリグレッションテスト
  • BrowserStackを使って定期実行

という2つを行っています。定期実行は基本的に土日も含めて毎日、iOS/Androidを合わせて6端末を解像度ごとに検証しています。

伊藤:定期実行はCIツールから連携されていますか?

白数:現状はBitriseでアプリビルドして、それをQAが手動で上げています。そこをうまくBitriseのワークフローに組み込めればと考えていますし、開発側としてQAチームと連携を取りながらCI/CDツールで効率化できたらと考えています。

伊藤:Tech Blogに解説記事(iOS/Android)を公開していますので、ぜひ参考にしていたたげればと思います。QAと開発が連携することで効率化が進みますので、今日はエンジニアの方にも参加していただきとてもありがたいです。

白数:以前はQAチームと開発チームの連携が弱かったのですが、MagicPodを導入してからエラーログを共有してもらって「どんなエラーなんだろう?」と一緒に考えることもあります。コミュニケーションを生むという観点でも良いツールだと思います。

伊藤:それは良いですね! テスト結果がエンジニアにフィードバックされて生産性が上がったり、エンジニアもID設定を見直してテストがしやすくなったり、良いサイクルが生まれるようになるのが理想だと思います。QAから開発へのフィードバックはどのようにされていますか?

坂本:テスト結果はSlackに通知していますが、そのチャンネルにはQAチームしか入っていません。QAで分からないところがあれば、開発チームに聞くフローにしています。どのように共有していくのが最適なのか模索しているところです。

白数:エンジニアの作ったものが実際どのように動いて、どこでエラーを出しているのか、見える形にできればと考えています。ただ、開発チーム全員がMagicPodを理解しているわけではありませんので、「MagicPodとは」や「そもそも品質とは」というところから始める必要があると思っています。

坂本プレミアムサポートを開発チーム向けのレクチャー会に利用することもできると聞いていますので、そういった機会を活用していきたいと考えています。

伊藤:良い活用事例になりますのでありがたいです。先ほどの「CI/CDとの連携」や「テスト結果の共有」も始めやすいと思いますので、ぜひ進めていただければと思います。


伊藤(MagicPod代表)

MagicPodの活用事例


伊藤:品質管理部でMagicPodの振り返りは行っていますか?

坂本:使用しているチームやプロダクトごとに振り返り会を行っています。テスト管理ツールの導入も検討していますが、メリット・デメリットがあって少し難航しています。

白数:開発としても、「外部に出力するAPIを持つテスト管理ツールを導入してもらえると嬉しい」と伝えて検討してもらっています。

伊藤︰自動化の目標はすでに達成されていますか?

坂本:はい。総合試験のリグレッションテストを自動化することが目標でしたが、7〜8割を自動化しています。手動打鍵していた時と比較する検証期間を設けたところ、iOSが68%、Androidが80%の工数削減を実現していました。工数を削減できたことによって探索的テストを実施でき、検証期間中に10件の不具合を検知できました。品質向上にもつながっています。

白数:開発としても、開発に専念できるようになったお陰で「リアーキテクチャ」や「ソースコードの品質向上プロジェクト」に力を入れられるようになりました。喜んでいるメンバーは多いと思いますし、「最終的にMagicPodが回って問題があれば見つけてくれる」という安心感で攻めた開発ができるようになったと思います。


最後に

坂本︰テスト自動化と聞いて「コードが書けないとできないのかな」「開発知識が無いとできないかな」「未経験で大丈夫かな」と不安になって一歩が踏み出せない方も少なくないと思います。でも、MagicPodはノーコードでシナリオ作成ができて、直感的に操作ができるので学習コストも少なく済みます。開発経験のないメンバーでも安心して運用ができるところが強みだと感じています。迷っている方がいればお勧めしたいです。

白数:開発側も品質の知識は欠かせません。どういったコードを書けば品質向上につながるのかノウハウを蓄積していくことが重要です。MagicPodを通じて、QAチームと連携を強くしながらサービス全体の品質向上につなげていきたいです。

山本:何でもかんでも自動化すれば良いというものではありませんので、目的や費用対効果を考えながら戦略的に進めていくことが重要です。我々もそこをQAチームと開発チームで共に考えながら、取り組んでいきたいです。

伊藤︰ありがとうございました!

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