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Drupal とSelenium での多言語対応サイトを高速構築 - 「Drupalビジネスコンソーシアム」との協力で Selenium普及加速 -

素早い企業システム構築や市場の変化に対応したシステム修正を可能にするOpen Source Software(以下、OSS)の開発フレームワークである「Drupal」(ドゥルーパル)の普及活動を続けている「Drupalビジネスコンソーシアム in Japan」(理事長 小薗井 康志、以下、DBCJと略記)の協力を受け、株式会社TRIDENT(本社:東京都中央区銀座、代表取締役社長:伊藤望)は、2014年10月1日、オープンソースの自動テストツールSeleniumによる、Drupal の組み合わせでの多言語対応サイトを高速構築する手法で、協業を開始することを発表いたします。

9月2日に発足した DBCJ の影響によって、多くの企業において Drupal の100言語を越える多言語に対応した Web サイトの構築需要が明確になってきています。東京オリンピックを控え、観光立国、外国人の増加により、多言語対応の Webサイト構築の要求は、爆発的に増えています。

Selenium (http://seleniumhq.org/) は、デスクトップ・モバイル端末のブラウザテストを自動化する、オープンソースの自動テストツールであり、世界中で広く利用されています。Selenium を活用することで、Drupal での1つの言語でのテストが完了すれば、それ以降の言語が多数あったとしても、自動化したテストを行うことで、大幅な時間短縮が狙えます。
多言語対応の Webサイト構築においては、Drupal + Selenium が今後の標準となるように両団体は、協力して技術情報を蓄積し、発信してまいります。

また、上記の発表を踏まえて、DBCJでは、第2回説明会を10月2日に行います。PHP技術者の動向解説も含め、Drupal の海外と日本の市場動向と、日本国内でのDrupalシステム構築事例を構築した技術者から解説するセッションもございますので、奮って御参加ください。

【Drupal ビジネスコンソーシアム説明会 第2回】開催予定

「Drupal ビジネスコンソーシアム」設立に合わせて、国内外の「Drupal」や OSS PaaS の動向も含めた説明会を開催致します。

・日時:2014年10月2日(木) 14:00~(受付開始 13:30)
・場所:株式会社日立ソリューションズ

・定員 150名
・主催 Drupal ビジネスコンソーシアム
・協力 株式会社日立ソリューションズ
・プログラム:
1. 御挨拶:DBCJ理事長
2. 賛同企業からの御挨拶:日立ソリューションズ様
3. 賛同組織から PHP技術者動向: PHP認定技術者機構様
4. OSS PaaS:Drupal を取り巻く市場動向:DBCJ副理事長
5. Drupal 8 新機能説明:
6. 国内 Drupal 構築事例:構築技術者による講演
7. Q&A

・参加申し込みは以下のサイトで受け付けます。
URL) http://kokucheese.com/event/index/214573/

本プレスリリースへのお問い合わせ先

株式会社TRIDENT
広報担当: 伊藤
E-mail: press@trident-qa.com

Seleniumを取り巻く現状について

Selenium (http://seleniumhq.org/) は、デスクトップ・モバイル端末のブラウザテストを自動化する、オープンソースの自動テストツールであり、世界中で広く利用されています。

Seleniumを利用することで、システムの回帰テストに要するコストを大きく削減することができます。また、似たようなテストを低コストで繰り返し実施できるため、クロスブラウザテストや多言語対応Webサイトのテストを効率よく行うことができます。

Seleniumは多くのWebサイト開発のシステムテストに利用されており、海外ではGoogleやSalesforceをはじめとする様々な企業に利用されています。国内でも、Yahoo! JAPANのテスト作業にSeleniumを活用し、1週間程かかっていたテスト期間を1日以内に短縮した事例などが紹介されています。(http://techblog.yahoo.co.jp/tips/Selenium-01/)

コミュニティ活動も活発で、海外では1万5千人以上のメンバーが参加するSeleniumのユーザーグループ (https://groups.google.com/forum/#!forum/selenium-users) が、日本でも300人以上が参加する日本Seleniumユーザーコミュニティ (http://www.selenium.jp/) が2013年7月1日に設立されています。

さらに、SeleniumをWebブラウザテストのAPIとして標準化する動きも活発です。例えば、World Wide Web Consortium(W3C)では、WebDriver(Seleniumの主要なAPIの体系)の仕様がワーキングドラフト (http://www.w3.org/TR/webdriver/) として作成されています。また、Google ChromeとOperaについては既にブラウザ内にWebDriverの機能が内蔵され、Internet Explorerについても、次期バージョンの機能を先行試用できるInternet Explorer Developer Channel (http://devchannel.modern.ie/) では、WebDriverの機能が最初から内蔵されています。このように、Seleniumは名実ともにWebブラウザテストの標準として、今後もさらなる普及が見込まれます。

「Drupal」を取り巻く現状について

「Drupal」は、Web Application Framework として、開発の基盤となる重要な存在であり、OSS PaaS を構成する要素となっています。
1つの大きな誤解として、「Drupal」 は CMS(Contents Management System)に分類されがちですが、既に CMS と言う枠を超えて、開発フレームワークとしての利用が増えている状況について、日本市場ではまだあまり知られていません。海外市場では、開発フレームワークである「Ruby on Rails」などから、「Drupal」 への置き換え事例なども増えています。

欧米、および、東南アジアの市場においては、「Drupal」、「Joomla!(ジュームラ)」、「WordPress(ワードプレス)」が、主要な OSS CMSとして浸透していますが、特に「Drupal」に関しては、ハイエンド向け開発フレームワークとして利用され、企業システム構築に向いた CMS を超えた Web Application Framework であると評価されています。これは、Amazon Web Services の Marketplace からも提供されている事実などからも明らかです。

一方で、日本においては、主要 OSS CMSの中でも、ローエンド向けの WordPress が突出して浸透しており、OSS の Web Application Framework や OSS PaaS としてのハイエンド利用、開発フレームワークとしての企業システム構築における利用が、海外市場と比較しても大きく遅れている状況にあります。

海外市場において、ホワイトハウス(アメリカ合衆国大統領府)、NASA(アメリカ連邦宇宙局)などでの導入実績からも、堅牢なセキュリティに関しても高い評価を得ている「Drupal」 は、今後日本市場でも浸透していくことが期待されています。
国内でも、ITシステムに関して先進的な考えを持つ、株式会社毎日新聞社、株式会社エイチ・アイ・エス、株式会社インプレスなどでの採用実績があり、多言語、他地域に対応した OSS でもあります。

日本市場でのシステム構築の課題解消へ

日本市場では、企業システムの運用・保守などの業務を社外のSI企業の技術者を常駐させ人月単位で委託する形態が多く、ユーザー側組織が望む、素早く適切な単価で、良いシステム構築を行うということが阻まれてきました。
また、逆に、過剰な技術偏重により、すべてをプログラミングするような人月計算による、高コストに陥りやすいシステム構築も行われてきました。

「Drupal」 と付随する2万個以上の追加機能(Module)群を活用することで、前述の日本市場でのシステム構築における課題が解消可能となります。

・高機能なシステムを実績のある追加機能群により、プログラミングレスで構築可能
・内部構造は OpenSource であり、本当に必要な場合には自由に改変可能
・優秀な技術者は、高機能な追加機能群を世界市場に提供する側で貢献可能
・PostgreSQL や MariaDBなどの OSS DBMS を中核としセキュリティも強固

「システム構築を行う立場」とすれば、新規でプログラミングを極力行わずに、実績のある部品:追加機能群を組み合わせて、より良いシステムを素早く作れ、プログラミングを行うことでのバグの追加やセキュリティの低下を防げます。

「プログラミングを行う立場」とすれば、既に存在する機能を再発明する(車輪の再発明)のではなく、本当に必要な機能を追加機能(Module)として提供する、それも日本市場だけでなく、世界市場に向けて提供することが可能です。

「Drupal」 を中核とした開発フレームワーク、OSS PaaS を使った生態系とも言える形を日本市場にも浸透させることで、本来の意味でのシステムインテグレーション、良い部品を組み合わせ、素早く企業システム構築を行うことが可能となります。


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