テスト自動化でベトナム・日本の壁を越える。VNEXTがMagicPodで実現したオフショア開発の属人化解消・品質向上とは
VNEXT HOLDINGS JOINT STOCK COMPANY
VNEXT HOLDINGS様に、MagicPod選定の決め手や導入時から現在までの活用状況について、MagicPod代表の伊藤がお話を伺いました。
VNEXT HOLDINGS JOINT STOCK COMPANY
日本でのソフトウェア受託開発を主力事業とし、IT総合サービス会社として東京・大阪・福岡、ベトナムのハノイ・ダナンで多角的な事業を展開。2016年以降はAIやブロックチェーンなどの先端技術に特化したグループ会社も設立し、高品質で柔軟な開発サービスを提供し続けている。
POINT
- 自動化導入前は実行者で品質がばらつき、報告の根拠説明にも苦労
- ノーコードでマニュアルテスト担当者も1〜2週間で自動化を習得
- 2〜3日要した回帰テストが半日以下に短縮、生産性も向上
- クラウド完結で環境構築不要。時差を生かした夜間自動実行も定着
- スクリーンショットが証跡となり顧客と結果を一緒に見る体制へ
左上から反時計回りに
・マイさん 営業部リーダー
・メンさん テストリーダー
・タムさん テストリーダー
・伊藤 望 MagicPod CEO
VNEXT:営業部リーダーのマイ(Mai)と申します。本日はMagicPodを利用しているチームから、テストリーダーのタム(Tam)とメン(Men)も参加しております。二人は日本語の読み書きはできるのですがスピーキングが少し苦手なため、本日は私が代表してお話しさせていただきます。
伊藤:ありがとうございます。海外でMagicPodを活用いただいている事例を伺えるのは初めてで、楽しみにしていました。まずはVNEXTさんについて、簡単にご紹介いただけますか?
VNEXT:弊社は2008年の設立から18年にわたり、日本とベトナムのリソースを組み合わせたオフショア体制による高品質かつスピーディーな開発を行ってきました。現在はグループ全体で約565名(日本側65名、ベトナム側約500名)の体制で、これまで400社以上、800案件以上の実績があります。
また、弊社では開発者がコーディングからテストまで自身で行うのではなく、独立したテストチームが品質保証の役割としてテストを実行する体制をとっているのも特徴になっています。開発者自身が行うテストは論理ロジックの確認が中心になりがちで、UIの細かな表示崩れなどに気づきにくいといった課題があると考えているためです。
弊社では製造、物流、小売、サービス業など幅広い業界に対応しており、小規模な業務改善から大規模な基幹システム開発まで手がけています。近年はAI技術の活用にも注力し、独自の開発プロセスにAIを組み込むことで開発効率の向上とコスト最適化を実現しています。
MagicPod導入前の課題
VNEXT:オフショア開発における最大の課題は、テスト品質を特定のメンバーのスキルや経験に依存させないことです。プロジェクトが拡大するにつれて、テスト担当者が変わっても同じ基準でテストが実行される仕組みが必要でした。手動テストに依存していた頃は「誰が実行したか」によって品質にばらつきが生じ、その結果、クライアントへの報告でも「何を根拠にこの品質だと言えるのか」を正確に伝えることが難しいと感じていました。
伊藤:属人化を解消するために自動化ツールを検討された、ということですね。ベトナムのテストチームの皆さんは、もともと自動化に強かったり、コーディングができたりする方が多いのでしょうか?
VNEXT:いえ、ベトナム側のテスターはコードが書けないメンバーも多くいます。そのためコーディングスキルが前提となるSeleniumやAppiumは習得コストが高く、チーム全体への展開が難しい状況でした。
ツールを使いこなせるメンバーが限られると、特定の人に依存するという属人化の課題が形を変えて残ってしまいます。また、環境構築やメンテナンスの複雑さもリモート・オフショア環境では大きな障壁でした。誰でも使えて、誰が見ても分かるテスト自動化の仕組みを必要としていました。
MagicPod選定の理由・経緯
VNEXT:本格的な導入のきっかけは、2022年末に日本のクライアント企業からテスト自動化の導入をプロジェクト要件として求められたことでした。実はMagicPod自体の調査は2021年ごろから進めていて、社内で試験的に利用していました。他のお客さまへ提案するための準備として先行検討していたタイミングと、ちょうど合致した形です。
クライアントの要件を受け、改めて複数のツールを比較検討しました。評価軸として重視したのは「コードが書けないメンバーでも使えること」「環境構築の負担が少ないこと」「チーム全体で品質管理を標準化できること」の3点です。その結果、MagicPodが最も適していると判断し、クライアントへ提案・承認を得て2023年4月から本格導入しました。
伊藤:他にもいくつか有力な自動化ツールがありますが、そういった他社ツールについても御社で対応されているのでしょうか?
VNEXT:お客さまのご要望に合わせてMagicPodの利用を提案していますが、プロジェクトによってはもう一つ別のツールが選定されることもあります。割合としては半々くらいです。現在、MagicPodを使っているチームは20名ほどの体制で運用しています。
伊藤:実際に使い始めてみて、最初の印象はいかがでしたか?
VNEXT:一番に挙げたいのは「メンテナンスのしやすさ」です。テスト自動化ではテストケースの作成以上に維持・管理のコストが長期的な課題になりがちですが、MagicPodなら「自動化したはいいが、メンテナンスに追われて本末転倒」という状況になりにくい。
ベトナム側のチームでもメンバーの入れ替わりは発生しますが、前任者が作ったテストを新しいメンバーがすぐに理解し修正できる点は、実運用において非常に大きな価値があります。
MagicPodの活用状況
伊藤:新しいメンバーがMagicPodを使えるようになるまで、トレーニングはどのように行っていますか?
VNEXT:MagicPodの操作はそれほど難しくありません。マニュアルテストの経験があるメンバーであれば1〜2週間ほど使い方のトレーニングを行うだけで使える状態になります。コード記述が必要な自動化ツールの場合、習熟に半年から1年ほどかかることもありますが、MagicPodはノーコードで直感的に操作できます。新しいメンバーがテストケースを理解し修正できるようになるまで、以前のSelenium環境と比べて大幅に短縮されました。
伊藤:実際の運用ではどのような効果が出ていますか?
VNEXT:現在は主にWebアプリおよびモバイルアプリのE2Eテスト自動化に使用し、回帰テストをCI/CDパイプラインに組み込んで毎夜定期実行しています。これにより週1〜2回だったテスト頻度が上がり不具合の早期発見につながったほか、リリースごとに2〜3日要していたテスト期間も半日以下に短縮されました。
弊社にはマニュアルテストチームと自動化テストチームの2つがあるのですが、自動化テストチームがMagicPodをうまく運用してくれたおかげで結果的にマニュアルテストチームの生産性向上や工数削減にもつながっています。例えば、これまでマニュアルテストで10時間かかっていた作業が2割減の8時間程度に短縮されました。浮いたリソースはテスト設計の精度向上や次の機能のテストに使っています。
定期実行については、日本とベトナムの2時間の時差を有効活用したワークフローが定着しています 。ベトナム側チームの業務終了時にテストをセットしておけば、翌朝にはすべての結果が出揃っています。MagicPodにはテストに問題があった場合でもテストを止めずに完走させる設定があるため、助かっています。
これにより、ベトナム側で先にエラー内容や不具合の確認を済ませ、日本のクライアントが出社するタイミングに合わせてスムーズに報告や相談ができるようになりました。リモート環境でありながら、まるで夜間にQAチームが常駐しているような体制を追加コストなしで実現できています。
伊藤:時差をうまく活用して効率的なサイクルを回されているのですね。一方で、日本とベトナムをまたいでの作業となるとインフラ面でのハードルもあるかと思いますが、リモートでの環境構築やアクセスについて不便に感じることはありませんでしたか?
VNEXT:全く問題ありませんでした。MagicPodはクラウドベースであるためVPNやリモートデスクトップに依存せずブラウザだけで完結します。ベトナムからも日本からも同一環境にアクセスできるため、環境差異によるトラブルがありません。新しいメンバーが加わった際もアカウントを作成するだけですぐに同じ環境で作業を開始できるのは、オフショア環境において大きなメリットです。
伊藤:そうした環境差異のない状態が作れたことで、日本のクライアントとのコミュニケーションにも何か変化はありましたか?
VNEXT: 最も大きな変化は、テスト結果が「見せられるもの」になったことです。従来のリモート環境ではテストの実施状況をテキストで報告するしかなくて、何をどこまで確認したかをクライアントに正確に伝えることが難しい場面がありました。
MagicPodでは各ステップの実行画面が自動的にスクリーンショットとして保存されるため、テスト結果そのものが証跡になります。報告書を「読んでもらう」のではなく、結果を「一緒に見る」コミュニケーションに変わりました。
テスト報告に関する追加の問い合わせがほぼなくなり、説明に費やしていた時間をより本質的な品質改善の議論に使えるようになっています。お客さまからもチームに対して高い評価を頂いており、その要因の一つがMagicPodの導入だと考えています。
伊藤:品質向上につなげていただけて嬉しいです。日本とベトナムのメンバーが連携するオフショア環境ならではのポイントとして、MagicPodのヘルプセンターが英語でも提供されている点が生きていると伺ったのですが、いかがでしょうか?
VNEXT:弊社のテストエンジニアは日本語でのビジネスコミュニケーションが可能なメンバーを中心に構成されていますが、問題が発生した際に日本語担当者を介さずともエンジニアが英語のヘルプを見て直接解決できるケースが増えました。コミュニケーションのボトルネックが減り、対応スピードが上がっています。
オフショアの現場が期待する、AIによるテスト設計の高速化
伊藤:AIエージェント「MagicPod Autopilot」にもご期待いただいていると伺ったのですが、実際の業務ではどれくらい活用されていますか?
VNEXT:弊社のチームではまだ研究段階で、主にクライアント側がこの機能を使っている状況です。ただ、自然言語でテストケースを作成・編集できるこの機能にはオフショアチームとして大きな可能性を感じており、積極的に活用を進めていきたいと考えています。
現在は日本語でテストを実行していますが、英語でテスト内容を指示するだけでステップが自動生成されれば、テスト設計のスピードが大幅に上がると期待しています。弊社が抱えている「生成AIを活用してどう生産性を向上させるか」という課題をどう解決して進めていけるか、現場のチームも非常に楽しみにしています。
私から一つ質問なのですが、現在MagicPodの開発は主に日本側のエンジニアが担当されているのでしょうか?
伊藤:はい、開発は日本で、すべて内製で行っています。エンジニアは20名ほどですが、最近はアメリカやインド、香港など、日本に住んでいる海外出身のメンバーも増えていますね。
VNEXT:なるほど。日本人エンジニアだけでなく、ツールをグローバルに展開していく戦略に合わせて、国籍を問わずグローバル人材の採用も進めていらっしゃるのですね。素晴らしいです。
伊藤:そうですね。少しずつですが、グローバルで採用も営業も広げていきたいと思っています。
最後に
VNEXT:テスト自動化ツールの導入は「エンジニアリングの課題」と捉えられがちですが、実際には「チームをどう動かすか」という組織の課題でもあると考えています。どれだけ優れたツールでも、特定のメンバーしか使えなければ結局は属人化という元の課題に戻ってしまいます。
私たちがMagicPodを選んで本当に良かったと感じている最大の理由は、チーム全員が同じツールを使って同じ基準でテストに向き合えるようになったことです。ノーコードであることは「簡単に使える」というだけでなく、「誰でも使える」ということでもあります。この違いはオフショアのような多様なバックグラウンドを持つチームにおいて、非常に大きな意味を持っています。
テスト自動化は導入した瞬間に価値が出るものではありません。チームに根付いて、毎日動き続けて、初めて本当の効果が現れます。その根付かせるプロセスを支えてくれるツールとして、MagicPodは私たちの期待にしっかりと応えてくれています。まずは小さく始めて、手ごたえを感じながら広げていく、というアプローチが成功への近道だと感じています。
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