開発チーム自らが検証→開発に専念できる体制へ。MagicPodなら検証のアウトソースを最小限のトレーニング工数で実現できる

ジオテクノロジーズ株式会社

モバイルアプリテスト

ユーザーインタビュー第16回は、MagicPod代表伊藤とともにジオテクノロジーズ株式会社様にお話を伺いました。
具体的な活用事例や選定の決め手など、いろいろとお話しいただきました。


ジオテクノロジーズ株式会社

1994年に創業。カーナビ用のデジタル地図事業をスタート、カーナビや法人向け地図データ・位置情報ソリューションの提供のほか、「トリマ」や「MapFan」ブランドによる個人/法人向け地図サービスを提供し、直近では高度な自動運転の実現に不可欠な高精度地図の提供も行うなど、日本の地図業界を牽引しています。移動するだけでポイントが貯まるポイ活アプリ「トリマ」は累計1600万ダウンロード数(インタビュー時点のダウンロード数)を超え、多くの人々に日々の移動やさまざまなコンテンツを楽しんでいただいています。


POINT

  • 導入前は開発チーム自身が検証まで実施していた
  • 開発経験が無くても使えることが選定条件だった
  • 手戻りを減らし、年45時間ほどの工数削減を実現
  • 開発が開発に専念できる体制を作ることができた

佐藤 択哉さん TCEクオリティーアシュアランス プロセスアシュアランス

佐藤 択哉さん TCEクオリティーアシュアランス プロセスアシュアランス

MagicPodを導入した経緯

佐藤さん(以下、佐藤)︰私は2016年に新卒入社し、QA部門に配属されてからカーナビアプリに地図データを組み合わせた際の品質保証やテストに携わってきました。現在はポイ活アプリ「トリマ」の検証に携わっています。部署としてはTCE(トータルカスタマーエクスペリエンス)という大きな部門があり、その中でサービスやアプリの品質保証をするプロセスアシュアランス(PCA)という部門に所属しています。

弊社は地図データの制作・販売をコアビジネスとしていまして、「トリマ」は社内ベンチャー的に立ち上がったサービスです。当初は開発と企画が一体になったプロジェクトチームとして独立した形で進めていたのですが、2022年3月にPCAが新設されてからはPCAで弊社のサービス全般の品質保証を担っています。現在PCAには社員が3人所属し、テスト設計やその工程管理を行っています。テスト実行はテストベンダーさんにお願いしています。

伊藤(MagicPod代表)︰PCAができる前は「トリマ」アプリの開発メンバーがテストも行っていたということでしょうか?

佐藤︰そうです。開発側で検証まで行っていたので単純に「そのリソースを別の開発に充てられないか」と考えるようになりました。また、サービスが大きくなったことで全社プロジェクトとしてQA部門が品質保証を行うことになりましたが、テストの実施まで行うのはリソース的に難しいと判断しました。そこでテストの実施は自動テストを導入しつつアウトソースして、QAメンバーはテスト設計に注力する形を検討しました。

MagicPod導入の決め手


伊藤︰自動化ツールの選定はどのように進められたのでしょうか?

佐藤︰まずQA担当者にモバイルアプリの開発経験が無いことから、SeleniumやAppiumなどの導入はハードルが高いと考え、ノーコードツールを候補にしました。いくつか比較検討しましたが、当時Androidに対応していたのはMagicPodだけでした。社内にMagicPodの利用経験があるメンバーがいて評価が高かったことも、導入の決め手になりました。

伊藤︰佐藤さんもテスト自動化ツールを使うのは初めてでしたか?

佐藤︰私もモバイルアプリの検証には携わっていなかったので、全く知らないところからのスタートでした。以前、同僚がモバイルアプリのテスト設計でコーディングが必要なツールを検討して苦労しているのを見ていましたので、MagicPodを使ってみて「コーディングがいらないのは本当に楽だ」と感じました。ビジュアル的にも分かりやすいUIになっていますので、人によっては当日中にテストケースの設計が始められると思います。


MagicPodの利用状況


伊藤(MagicPod代表)

伊藤︰現在MagicPodの運用はどのような体制で行われていますか?

佐藤︰私がテスト設計をして、実際のテスト実行とメンテナンスはテストベンダーの方々にお願いしています。その方も自動化は初めてだったのですが、現在では新しい機能のテスト作成もお願いしています。

メンバーが増えたり入れ替わりがあったりした際に、トレーニングや引き継ぎが容易なのもクラウドで実行環境があるメリットだと思います。やはり、アカウントを作るだけで環境構築が完了するのは便利です。現在「トリマ」の海外向けアプリでもMagicPodの導入を検討しているのですが、スムーズにスタートできそうです。

伊藤︰ご活用いただく機会が増えているようで良かったです! 日常的にはどのように利用されていますか?

佐藤︰ビルドしたらMagicPodが実行されるように、開発側でスクリプトを使ってビルドフローに組み込んでもらっています。QA側では、毎日深夜に定期実行しています。こちらは品質保証というより、毎日回すことでMagicPod自体のアップデートや「ここでNGが出やすい」という傾向を把握するなど、メンテナンスのために回しています。

そういった使い方には、検証工数が限られた中で余計な手戻りが発生するのを避ける意図があります。もしかしたらMagicPodが推奨する使い方とは違うかもしれませんが、他社さんはいかがでしょうか?

伊藤:不安定なテストをあぶり出す目的で頻繁に回している会社さんは少なくないです。御社もそういった使い方と近いのかなと思います。リリース時の手戻りが少なくなるメリットがありますので、うまくご利用いただいていると思います。

佐藤︰良かったです。手動テストを削減して結果を確認するだけで済んでいますし、人と違ってMagicPodなら深夜に稼働させることができます。もともと人手が足りないことが導入のきっかけでしたので、無駄を抑制してコスト削減につながっています。

アプリの特性上、自動化できるケースが少ないため、結果確認のコストも考えると大きな削減とまでは言えませんが、1リリース当たり3時間程度の削減になっています。リリース目標が年15回くらいですので、単純計算で年45時間ほどの工数削減につながっているのではないかと思います。


MagicPodの活用事例


伊藤︰MagicPodについて開発側と話す機会はありますか?

佐藤:導入時に一通り触ってもらいましたが、開発メンバーが検証まで行っていた状態が解消され、現在は開発に専念してもらっています。不具合があって再ビルドで細かい修正をした際に「自動テストでOKなら大丈夫だよね」と話していたメンバーがいましたので、MagicPodが動いているからこそ開発に専念できている面は大きいようです。

伊藤︰それは良い話ですね。実務的なところで、佐藤さんが役立っていると感じる機能はありますか?

佐藤︰細かいところだと「編集画面のオートセーブ機能」や「編集履歴の復元機能」は運用する上での安心感につながっています。また、実行キャプチャが残るのでインシデント発生時にいつまで正常稼働していたかを確認しやすいのもありがたいです。

ただ、現在は運用をアウトソーシングしていますので、私は運用者というより管理する立場にいます。管理者としては、MagicPodがあることで検証者のスキルレベルに左右されないテストが実施できているところにメリットを感じています。

開発側も、サービスへの理解度が高いとは限らない外部の方にお願いすることで細かいUI的な部分への気づきが弱くなる可能性を懸念していました。しかし、MagicPodには画像差分や文言一致などを検知する機能がありますので、私は逆に人の目で見るよりも見える部分があるのではないかと考えています。

伊藤︰導入から1年ほどたちましたが、今後取り組んでみたいことはありますか?

佐藤:「トリマ」のユーザー数が増えていますので、より安定運用できる仕組みを作りたいと考えています。例えばサーバー側のバックエンドは開発でしっかりモニタリングしているのですが、フロント側の動きについては直接アプリを見ています。そこを自動化できないか相談されていますので、MagicPodでフォローする方法を検討しています。他にも単体テストに関して、CIにMagicPodを組み込めないか考えています。

伊藤:BitriseやCircleCI、GitHub Actionsなどに組み込んでいる会社さんもたくさんいらっしゃいますので、最終的にはCIへの組み込みを目指していただけるのが良いと思います。


最後に

佐藤:「AIテスト自動化」と聞いて1から10まで全て自動化してくれそうなイメージを持つ方も多いと思いますし、私もテスト自動化に関わる前はそう思っていました。しかし実際はできないこと、テスト対象との相性で難しいことも多く、設計者の創意工夫が必要になります。「何でも自動化できる」という幻想を持って取り組むことはお勧めしませんが、やり方次第で「導入して良かった」と思えることは確実にあります。触ってみないと何ができるか分からない技術です。まずは実際に触ってみて、何ができるかを確認しながら検討するのがいいと思います。

伊藤︰そうですね。最近はMagicPodのユーザーコミュニティーが活発になり、質問と回答がユーザー同士で完結することも多くなってきました。もちろん、お問い合わせいただければ私たちもサポートします。佐藤さんにおっしゃっていただいた通り、まずは触ってみるところから始めていただければと思います。

本日はありがとうございました。


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